あけましておめでとうございます。
平成31年の年頭にあたり、皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
おかげさまで本会は昨年創立70周年を迎え、11月には多くの皆様にご臨席頂き、記念式典を開催することが出来ました。改めて皆様に御礼申し上げます。
この10年を振り返りますと、平成20年に100年に1度と言われるリーマンショックが発生し、景気が一気に落ち込みました。徐々に回復の兆しを見せ始めた平成23年の3月11日に、東日本大震災が発生し、東日本の事業所の多くが被災されました。平成25年には消費増税対策の一環として、電気めっき業として消費税転嫁カルテルを認めて頂き、業界一丸となって啓蒙活動を行ないました。平成28年には熊本大地震が発生し、九州では一時混乱に陥りましたが、各組合からの支援や若手経営者の皆さまの機転とご尽力により、迅速な復旧が成し遂げられたことは記憶に新しいところであります。こうして10年を振り返りますとまさに「激動の10年」であったと感じる一方で、様々な課題解決に取り組む上で、組合そして全鍍連というネットワークがいかに重要であるかを象徴した10年であったと感じています。
さて、昨年開催した全国大会にて、「人づくり」を大きなテーマに掲げました。
次世代を担う若手経営者や女性経営者など、全鍍連に関わる全ての方が主役となり、次の10年を切り拓いていくという決意が込められています。目下、人材不足や後継者問題、環境問題などまさに難題が数多く横たわっており、めっき業界の前途は多難と言わざるを得ません。しかしながら、これまでも幾多の難局を乗り越えてきたように、皆様の知恵と行動力により困難な課題に正面から突破して参りたいと考えています。
さて、平成20年に1,721社あった組合員企業数は、平成30年4月1,299社となり、この10年で400社を越える組合員企業が減少したことになります。しかしながら、足元の景況感は必ずしも悪いわけでなく、組合員への景況調査によると、地域や手がけるめっきの種類により濃淡はありますが、受注量は増加していると回答しており、電気めっきの生産額(工業統計)も著しく低下しているわけではありません。また、EV化など次世代自動車へのシフトが世界的に急速に進展する中、従来の部品点数が大きく減少し、電気めっき業への深刻な影響を懸念する声も聞かれますが、我が国のめっき業そのものの仕事が無くなることはあり得ず、むしろ、電気めっきの高い技術とAI技術の一層の導入促進により、日本のものづくりを支える基盤産業として、その重要性は一層高まるものと考えられます。
こうした時代の潮流を見極め、高付加価値のめっき製品を生産し、日本のものづくりを元気づけることが全鍍連の使命かと考えております。次なる10年を見据え、引き続き電気めっき業の発展・繁栄に寄与できるよう最大限努力して参る所存です。今年も、経済産業省、厚生労働省をはじめ表面技術協会・日本表面処理機材工業会等関連の皆様方のご支援をお願いし、全ての工業組合、組合員事業所の皆様のご協力を得て、全鍍連の活動を推進して参りたいと存じます。最後になりますが、皆様のご多幸を心よりお祈りし、新年のご挨拶とさせて頂きます。
全国鍍金工業組合連合会
会長 森脇 隆