全国鍍金工業組合連合会(ぜんとれん)

山田会長 年頭所感 「令和3年の新春を迎えて」 (2021.1.5)


令和3年の新春を迎え、気が引き締まりますと共に謹んでお慶びを申し上げます。

 未曾有の危機を経験した昨年を振り返り、まずは、「令和2年7月豪雨」で九州をはじめ全国各地でも甚大な被害が出ました。被災された皆様には心より御見舞いを申し上げます。
 オリンピックイヤーとして輝かしいスタートを切ったはずの一年前、暖冬で穏やかなお正月でしたが、既にその頃、新型コロナウイルス感染症の猛威はすぐそばまで忍び寄っており、2月以降には国内もパニックに陥りました。まさに青天の霹靂。皆さんの生活も激変されたことと思います。製造業では、中国の工場停止に始まり、遅れて各国で都市封鎖が起こりました。サプライチェ−ンの分断と需要の消失が世界中で多発する前代未聞の危機となりました。
 経済は戦後最大のマイナス成長に陥り、国内でもデジタル化の遅れや東京一極集中等、日本が抱える問題を浮き彫りにしました。サービス業では、企業や個人事業主の休廃業・解散が加速しており、前年比2割増となっています。
 緊急避難的に実施された在宅勤務はこれまでの働き方改革を一気に加速させ、リモートワークが日常となり、多様な働き方は従来の会社と個人の関係を大きく揺さぶりました。現在もコロナ禍という外的ショックを奇貨とするかの如く、大企業を中心に働き方のニューノーマル化が拡大しています。
 このような先行きが見通せない混沌とした状況のまま、新年を迎えることとなりました。どうしてもマイナス面ばかりに目が行ってしまいがちですが、今こそ従業員や顧客を大切にして信用を失わなければ、再びチャンスは巡ってくるものだと私は信じています。
 一方で、明るい兆しも見られてきています。ワクチンの治験はかつてない速さで進められており、海外ではすでにワクチン接種が開始されています。いくつかの面で国際的な連帯も強化されており、「大封鎖」後の経済再開を経て景気回復が予想よりも速いペースで始まってきていることも見て取れます。国内自動車メーカーは、中国市場の早期回復と主力市場である米国の新車販売が復調し、業績予想を上方修正すると共に、5Gの本格的な普及で半導体やセンサー需要が増え、半導体や半導体製造装置メーカーの業績回復も鮮明になっています。
 NHKの朝の連続ドラマの中で「どん底に大地あり」という言葉が使われていました。そのとき人々を勇気づけるのが「希望」だということです。
 今はまさに大地を踏み固め、明日への希望、そして新年への期待を膨らませていくことが必要なのではないでしょうか。悲観は新しいものを生みません。コロナ禍も、如何に新しい市場やビジネスを生むチャンスと捉えていくかが重要になると思っております。本会と致しましては、大局を見失うことなく社会や経済の趨勢を注視しつつ、今年も全鍍連傘下の全事業所が如何なる環境においても経営を継続できるよう時宜に即した事業を実施することにより、少しでも組合員企業のお役に立ちたいと考えております。

 さて、全鍍連では昨年11月に開催した第58回全国大会にて『「継続と変革」−共に困難を乗り越えよう−』をテーマに掲げました。@ 情報交換を活発化させ、互いに経営の解決の糸口を見出せるよう、共に乗り越えていくこと。A 暫定排水問題をはじめとする環境規制問題など引き続き真摯に取り組み続け、めっき業界への信頼をより一層高めていくこと。B めっき業に特化した保険制度の創設等、引き続き新しい事業にチャレンジし、全組合員めっき事業所の繁栄と発展を実現していくこと。C 70年以上にわたり諸先輩から脈々と受け継がれてきた業界の伝統と誇りを、継続できるよう努力していくこと、以上4つの方針の下、諸課題に真摯に取り組み、未曽有の困難を一丸となって乗り越えて参りたいと思います。こうした中で、昨年は政府や自治体の要請を踏まえた感染防止対策を行い、書面方式やリモート会議用ツールである所謂「Zoom」を活用しながら、試行錯誤の中、常設委員会等を継続させてきました。今年も、委員一人ひとりが知恵を出し合いながら、最大限の事業活動を継続・推進し、皆様の企業経営のお役に立てるよう、努力して参りたいと思っております。

 最後に、今年も経済産業省、厚生労働省をはじめ表面技術協会・日本表面処理機材工業会・賛助会員企業の皆様方のご支援を賜り、そして工業組合、組合員事業所の皆様のご協力を得て、全組合員めっき事業所の繁栄と発展を実現して参りたいと存じます。
 どうか、ご自身とご家族、社員の皆様のご健康を第一に事業継続に邁進ください。皆様のご多幸を心よりお祈りし、新年のご挨拶とさせて頂きます。


全国鍍金工業組合連合会
会長 山田 登三雄


ご利用にあたって | 関連団体リンク | アクセス


〒105-0011 東京都港区芝公園3丁目5番8号 機械振興会館206号室  電話番号 03-3433-3855 FAX番号 03-3433-3915

Copyright(c)2003 Federation of Electro Plating Industry Association,Japan All Right Reserved