全国鍍金工業組合連合会(ぜんとれん)

苅宿会長 年頭所感 「令和4年の新春を迎えて」 (2022.1.5)


 明けましておめでとうございます。令和4年の新春にあたり、皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、コロナ感染の第5波が収束を見せ始め、東京や大阪など19都道府県に出されていた第4回目となる緊急事態宣言が9月30日に解除されました。その後新たな感染者数は低い数値のまま推移しています。しかしながら南アフリカ発といわれる変異型「オミクロン株」が世界に広がりをみせ、我が国も第6波の感染拡大が懸念されます。
 このようにコロナ感染の波が繰り返される中、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期、無観客という、これまで経験したことのない状況下で開催されました。競技者の活躍は我々に多くの感動を与えましたが、コロナ感染の拡大はしばらく止まらず、経済は停滞したまま、更には開催による巨額の赤字など深刻な問題を我々に突き付けました。
 10月31日には4年ぶりに衆院選がありました。結果は自民、公明両党が絶対多数を維持し、その1ケ月前に就任したばかりの岸田首相の続投が決まりました。有権者の審判は政権の「継続」でしたが、自民党は議席を減らし、党の要職を務める議員や大臣経験者が小選挙区で落選するなどの結果は政権に緊張感を求める民意の表れとみるべきかもしれません。
 内閣府が12月8日に発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%減、年率3.6%減でした。マイナス成長は2四半期ぶりで、新型コロナの感染拡大による緊急事態宣言で個人消費が冷え込んだほか半導体不足によって自動車生産や輸出が落ち込みました。10〜12月期は感染が落ち着いていることなどからプラス成長となる見通しですが、歯止めがかかりつつあるとはいえ半導体不足や原油価格の上昇による影響が懸念されています。業界としては国に対して材料の安定供給を願いたいものです。
 全鍍連が毎月発表する全国組合員の生産額調査によると昨年4月から9月までの実績は前年度対比で18%の伸びを見せました。しかし、それでもコロナ禍前の令和元年度の水準には達していません。めっき業界全体を見渡しても業績の回復力には力強さに欠け、先行き不透明感が漂っています。
 昨年開催されました全鍍連全国大会は「共に前へ−挑戦で未来へつなぐ」をテーマに掲げました。コロナの時代を乗り越えるために、新しいスタイルにも柔軟に対応し、めっき業界全体で挑戦を続けること、排水規制問題・土壌汚染対策などに真摯に取り組みつつ、脱炭素化等の地球規模での環境問題にも積極的に向き合うこと、事業所間・組合間のつながりを深め、次世代を担う多様な人材の確保・育成に取り組むこと、更には「めっき」保険制度の運用など、新しい事業に挑戦し、全組合員の繁栄と発展を実現することとの方針が採択されました。コロナ終息の目途が見えない中ですが、皆様のご協力を得ながらこうした方針の実現に努めてまいります。
 一昨年来コロナ禍で我々業界を含め日本経済全体が自粛等我慢を強いられてきました。
閉塞感を拭うことができませんが、立ち止まっていては衰退するばかりです。大会のテーマにも掲げましたが挑戦することによってのみ、こうした難局を乗り越えることが可能になります。逆境に立ち向かった者にしか夜明けは訪れません。
 今年も、経済産業省、厚生労働省をはじめ表面技術協会・日本表面処理機材工業会・賛助会員企業、そして全ての工業組合、組合員事業所皆様のご支援・ご協力を賜り、全鍍連の活動を推進する所存です。皆さまのご多幸を心より祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。


全国鍍金工業組合連合会
会長 苅宿 充久


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