全国鍍金工業組合連合会(ぜんとれん)

苅宿会長 年頭所感 「令和5年の新春を迎えて」 (2023.1.5)


 明けましておめでとうございます。令和5年の新春にあたり、皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 繰り返されるコロナ感染は昨年末には第8波が押し寄せ、新年を迎えても一向に収束の兆しが見えません。専門家の見解では1月中旬がピークとも言われています。コロナ感染も今年で4年目となりますが、収束を待ってというよりコロナ禍の中で我々の生活・経営をどう展開していくかが問われています。
 このようにコロナ感染の波が繰り返される中、昨年2月にはロシアによるウクライナ侵攻が始まりました。ほぼ1年となりますが和平の目途はたっていません。コロナ感染に加えウクライナ侵攻は私達の生活に暗い影を落としています。経済停滞から長らく低迷していた物価が上昇し、食料品や原油など原材料の高騰を招いています。また、世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクも懸念されます。
 全鍍連が毎月発表する全国組合員の生産額調査によると昨年4月から9月までの実績は前年度対比1.1%増とほぼ前年並みの数字となりました。インフレや円安も一時からみると落ち着きをとりもどしつつあり、景気回復も期待されますが、それでもめっき業界の先行きは一進一退の状況が続きそうです。
 昨年は安倍元首相への銃撃事件、その国葬をめぐる世論の分断、さらに旧統一教会と政治家の関係など政治の世界では暗い話題に終始した1年ともいえます。しかし、11月カタールで開催されたワールドカップサッカーは連日注目を集め、日本チームの活躍に全国民が興奮の渦に巻き込まれました。残念ながら目標の決勝トーナメント、ベスト8はなりませんでしたが、我が国を取り巻く閉鎖感を吹き飛ばすべく国中が大いに沸き上がりました。アメリカ大リーグ、投手・打者2刀流での大谷選手の活躍、国内では「村神様」と流行語大賞を獲得した3冠王の村上選手などスポーツ界では明るい話題が続きました。周りを見渡せばとかく沈みがちになりますが、このような時だからこそ明るい希望をもって厳しい状況を乗り越える意思と努力が求められます。
 昨年開催されました全鍍連全国大会は「共に前へ一人と技術が生み出す持続可能なものづくり」をテーマに掲げました。ロシアによるウクライナ侵攻以降、サプライチェーンの混乱、原材料価格の高騰が続き、めっき業界においても多くの困難が立ちはだかっています。こうした試練を乗り越え、共に繁栄していくため、全国ネットワークの強みを生かし組合員同士のつながりを深めること、排水規制問題・土壌汚染対策などの環境課題に対し環境保全・社会的責務を全組合員で果たしていくこと、めっき技能の研鑽に邁進し、人と技術が生み出す持続可能なものづくりを目指すこととの方針が採択されました。個々の組合員企業の皆様、各工業組合の皆様と共に諸課題に真摯に取り組んで参ります。
 コロナ感染やロシアによるウクライナ侵攻を収束させることは私達個々の力でなし得るものではりません。しかし、これらがもたらす厳しい状況を克服し、企業経営や生活を発展させることは私達自身の努力で可能とも言えます。ワールドカップサッカーで見せた日本チームのように最後まで諦めない、強い意思を持ち続けたいと思います。逆境下を反転させ、飛躍の年となるよう努力を積み重ねましょう。
 今年も、経済産業省、厚生労働省をはじめ表面技術協会・日本表面処理機材工業会・賛助会員企業、そして全ての工業組合、組合員事業所皆様のご支援・ご協力を賜り、全鍍連の活動を推進する所存です。皆様のご多幸を心より祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。


全国鍍金工業組合連合会
会長 苅宿 充久


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