全国鍍金工業組合連合会(ぜんとれん)


大阪府鍍金工業組合

1.基本データ

理事長野村 重之
事業所数170社 (令和6年4月1日現在)
公式website大阪府鍍金工業組合ホームページ
住所〒537-0025 大阪府大阪市東成区中道3-1-14
電話06-6972-1791
FAX06-6971-0298
青年部組織あり(青研会)

2.沿革

組合創生期
 組合活動のスタートは、大正7年9月に内務省から設立の許可が下り、大阪鍍金同業組合が創立された時期にさかのぼる。その後、同業組合は、拡大発展する大阪めっき業界を15地区、15部会に分かち、地区活動を主軸とした活動方針を定め、金解禁実施経済恐慌という深刻な経済界の不安に対処するため体制を強化した。業界の懇親的な団体であったものの、有力者が多く参加していたので、業界発展の影の力として、その功績は現在でも見落としてはならない。昭和10年以降、統制化の波は次第に経済界に深刻な影響を与え、同業組合の方向にすすまざるを得ない事態となって来たため、工業組合法による改組の準備が進められることになった。
 そこで、昭和13年10月、大阪鍍金工業組合が創立された。この頃は、めっきの原料たるニッケル・金等の地金類が不自由となり、一般ではガソリンが切符制となって庶民の生活にも戦争のきびしさがひしひしと感じられるようになった。大きな役割をもって発足した組合は、各部会の選任規定、営業統制並びに消費配給等の仕事を受け持つ部長及び副部長の人選を行っている。また、原材料の配給はますます複雑化したため、組合では各部会に配給調査員を2〜3名置き、一部、困窮せざる企業に対しては、配給部長の証明を得て、組合より直接配給するなど、組合の付加価値を高めていった。昭和14年末には組合事務所を落成しており、当時の事務所の1階倉庫は、原材料の配給所として材料商に貸与し、会議室は組合員に開放した。当時の組合は工業組合として発足して間もないのにその事業は益々発展し、多忙を極めた。そこで、種々の委員会が設置され、多数の組合員が委員として活躍した。
 戦局に伴い、国策に沿って原材料配給統制の故をもって、昭和19年5月、大阪鍍金工業組合は大阪鍍金工業統制組合へと移行した。その頃、大阪鍍金工業統制組合協議会が創設され、大阪市立工業研究所今里分室の落成を機に、ニッケルめっき使用禁止により、亜鉛めっき、錫めっきを開発し、軌道に乗せるための講習会が開催されている。

戦後の動き
 戦中の統制令が廃止され、昭和22年1月、大阪鍍金工業統制組合は時代の要請に応じ、商工協同組合法による大阪鍍金工業協同組合を創立した。創立第一着手の事業として、資材入手難の折から、円滑な配分を期するため、資材購入資金として組合員より短期借り入れをすることを採決し、資材を生産高に応じて按分配給することにした。また、地区運営に関して、堺市とともに12地区とし、地区世話役を設けて選挙役とし、地区長を選出した。
 また、めっき技術の研究改善を図る主旨により、業界2世による鍍友会を結成し、会員工場の見学会の実施によって視野をひろめ、東京の十日会と呼応して東西の交流、見学会をはじめ、めっき技術講習会を開催する等活発な活動を開始した。昭和35年には、第一線に活躍する中堅業者によって鍍生会が組織されている。
 その他にも、外郭団体として「電気鍍金研究会」を設立し、研究陣をバックアップするとともに、研究成果を速やかに業界に周知させるなど、めっき技術の高度化を図っている。

工業組合への改組
 昭和40年以降より、中小企業近代化促進法や中小企業近代化資金助成法等の一連の助成策が講じられるようになって税制、金融面での支援措置も整備されてきた。また、公害防止管理者認定講習実施に伴い、昭和47年5月、大阪鍍金工業協同組合は現在の大阪府鍍金工業組合に改組し、現在に至っている。

3.組合事業

(1)環境技術センターの竣工
 戦前の昭和14年末には、業界ではじめて組合事務所を落成している。その後、昭和38年1月に、現在の地に新会館を完成させた。平成8年に改修工事を行った後、平成15年には、環境技術センターを竣工した。これにより、昭和30年代より実施している電気めっき技能検定の実技試験および大阪高等めっき技術訓練校実習研修に係る機器を固定的に設置し、技能検定実技や訓練校実習に利用するとともに、未使用期間は、めっき技術研究室として組合員をはじめ、大阪府下のめっき関連企業に開放し、社員教育の向上や技術研さんなど、大いに活用できるようになった。

(2)めっき技術高度化への取り組み
 昭和54年、高等めっき技術講座を開講した。優れたエキスパートと有能な人材育成を図るため、各論の専門分野における高度な講義やグループディスカッション、合宿訓練、学習効果を上げる研究論文発表、討論、実習、見学などの1年間による長期講座であった。
 その後、平成5年には、大阪府の助成のもと、「大阪高等めっき技術訓練校」を開校した。カリキュラムは、基礎科目・表面処理技術各論・実技研修などの8科目で、92単位制である。現在に至る、同訓練校では約1100人以上の卒業生がめっき業界をはじめ電子・精密等のハイテク産業に至るまで活躍している。
 その他、昭和57年に「わかりやすい経営分析読本」を発行し、計数による経営管理、自主排水測定、スラッジ処理、濃厚廃液の処理方策に万全を期した。昭和62年には、「人事労務管理諸規制の実務手引」を刊行し、労務管理改善のよき参考資料として活用された。平成5年には、「マンガめっき基礎技術入門書」を発刊、平成20年には組合創立90周年を記念して前書を取りまとめ、新たに「マンガめっき読本特集号」として発刊した。

(3)青年部「大阪青年鍍金研究会(呼称 青研会)」の発足
 1980年代に入ると、めっき業界を取り巻く企業環境はなお一層厳しさを増し、大きな転換期に直面した。そこで、新技術の研究並びに後継者の育成を推進するための組織改革を行い、若手経営者により、組織の再活性化が模索推進されてきた。そこで、「鍍友会」と「鍍生会」が慎重に協議を重ね、昭和58年7月に一本化し、「大阪青年鍍金研究会(呼称 青研会)」として新たにスタートした。青研会では通常事業として会議の開催・研修事業などのほか、文献出版事業として「めっき読本」の出版実施等の活動を行っている。また、大阪府鍍金工業組合事業への積極的参加も行っている。

(4)販路開拓の推進(WEBサイト「めっき専門街」)
 2020年1月に組合HPのリニューアルを行い、WEBサイト「めっき専門街」のリニューアルを行った。これは、めっき加工が必要なお客様が大阪府鍍金工業組合の業者を検索できるシステムで、キーワード検索にて顧客が加工したいめっき種、めっき方法、主たる加工製品名など、登録しているめっき企業の中から最適な業者を紹介するものである。

(5)めっき汚泥処理処分事業
 クリーン大阪センター(COC)が平成17年9月末日をもって閉鎖し、その後、行政・公社・組合が一体となり、ワーキンググループを設置、安全かつ適正処理のできるシステムの構築と業者選択について、検討を重ね、平成17年10月1日より当組合が母体となる、めっき汚泥処理処分事業をスタートした。


4.組織概要

○役員数:
理事長1名 副理事長4名 専務理事1名 理事18名 監事2名 合計26名

○事 業:
1.組合員企業の経営安定と組織強化
 資金調達は、経営上最も重要であり、国・府・市より情報を集め、組合員への中小企業関係による税制改正等、安定化を図る。セーフティネット保証5号の対応による雇用調整、事業再構築等の補助金・助成金の活用等について国・府・市・関連団体よりの情報を組合員に提供し、各企業の経営方策の一助とする。

2.環境対策への取り組みと規制遵守への支援
 国は水質汚濁防止に基づき、ほう素(省令2025.6.30まで)、亜鉛(省令2024.12.10まで)に続き、六価クロム(省令2029.3.31まで)等の暫定排水基準は承認された。併せて当組よりの意見要望にて大阪府条例の暫定排水基準も承認された。しかし何れ続いた暫定排水基準は無くなり一律排水基準を遵守しなくてはならない。また大阪府域では大気へ排出される有害物質について大阪府生活環境の保全等に関する条例により規制が昨年度より実施した。係る大気汚染の未然防止に努めるため、組合員へ排出基準の順守と測定義務を図る。またPRTR法・大阪府化学物質管理制度・労働安全衛生法改正によるリスクアセスメント・毒劇物に関する自主管理強化の環境問題並びに府条例等について、大阪府、大阪市、堺市、衛星都市の指導、助言を受け積極的に取り組む。また、大阪市建設局下水道部施設管理課の水質規制担当と組合役員並びに支部役員合同による排水規制行政指導会議を開催し、排水規制の現状と今後の課題について実態を把握し組合員への自主的な環境対策の啓発と支援を行う。大阪湾広域臨海環境整備センター(大阪湾フェニックスセンター)では廃棄物量の減少傾向に加え、施設の老朽化による保全経費の増加等、またここ数年の物価・労務単価の上昇に伴いさらに厳しい状況が見込まれ、令和6年4月1日より処理料金の改定を6年ぶりに行った。収集運搬・中間処分地等の事業所についても同様であり、苦渋の決断であるが、「めっき汚泥処理処分事業」の処理料金の改定を余儀なくした。

3.人材育成・後継者育成の強化
 平成5年度より大阪府より認可を受けた1年間の大阪高等めっき技術訓練校(生徒数22名)の開校、覚えておきたいめっきの技術として5日間の夜学であるめっき技術短期講習会を開催し、各企業によるエキスパートの養成並びに人材育成に努める。大阪府職業能力開発協会よりの委託事業である電気めっき技能検定実技試験について1級16名・2級32名・計48名の受検生にて開催し、技能士の拡充を図り、企業の後継者育成に努める。

4.組合員企業の販路開拓推進と情報伝達の効率化と受診による監督署への届出
 当組合ホームページ「めっき専門街」のフリーワード検索にて登録されている組合員をキーワードで検索することができ、組合員企業がより的確な経営戦略の構築につなげるよう努める。また、当組合機関誌である「広報誌」を毎月発行し、各事業活動・予定報告する。組合情報発信サービス事業にて、国、大阪府、大阪市、中央会、大阪商工会議所、全鍍連を始め、各種団体よりの情報を纏め、希望する組合員に関連する最新の情報をメールにて発信、提供する。安全衛生法では“めっき工場の現場作業”に携わる従業員は疾病予防と健康管理に必要な健診を1年に2回受診し、その結果を必ず所轄労働基準監督署へ届ける事が義務付けられており、当組合では数カ所に診断会場を設け、従業員の健康保持・障害予防に努めている。また、Web会議に必要なハード・ソフトを設置し、各委員会・支部・業種別部会・研究団体等の会議、セミナーについてハイブリット活用する。また案内等のFAX一元化を見直し、希望者選択によりFAX・メール通信のハイブリッドを取り入れる。

5. 全国鍍金工業組合連合会等と連携の強化
 めっき業界は、他業界に先駆けて排水・大気・土壌に係る規制遵守を必須条件として、環境問題へいち早く対応し、暫定排水基準延長に必要不可欠な排水データーを年2回、全鍍連へ提出、期限延長を求めてきた。また全鍍連では優良環境事業所認定制度の審査基準に基づき全国組合員を対象に実施し、業界のイメージアップとボトムアップを目指す。また若手経営者並びに女性経営者のモラルの向上と人材育成、景況・生産額調査の実施による行政への陳情について全鍍連と連携を図り、組織強化を目指す。また、めっき技術コンクールに多くの組合員が提出するよう指導と審査会場として大阪鍍金会館の会議室を提供し一部外観審査、蛍光X線による膜厚検査を実施する。特に全国のめっき企業と提携し地位向上に努めると共に近隣組合(京都府・兵庫県)との連携をより強める。

○青年部:大阪青年鍍金研究会(呼称 青研会)(会員数82社)


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