全国鍍金工業組合連合会(ぜんとれん)


めっきの種類 特色
銅−ニッケル−クロム  装飾クロムめっきと総称されるめっきで、金属素材、プラスチック素材を問わず装飾めっきの主流をなしている。素地加工や下地めっきの種類によって、単なる光沢外観のみならず、梨地、ヘアライン、スピン、ダイヤカット、サテン(半光沢梨地)、ベロア、パール等、多彩な外観が容易に付与されるため、クロムめっきのもつ重厚な金属質感、清潔感、精緻さと相まって、あらゆる分野で広く利用されている。
プラスチックめっき  めっき種類別の分類ではないが、装飾めっきの中で大きな比重を占めているめっきであり、プラスチック時代に不可決のメタライジング技術でもある。 プラスチック素材に電気めっきを施すことで、高級化、軽量化、多様化、汚れにくさ(清潔感)、耐衝撃性、耐擦傷性等が付与される。
金めっき  金めっきは、産出量の少ない金を最大限有効に活用する方法として、古代より馬具、刀剣、仏像・仏具、装身具に活用され、現代においても装身具、喫煙具、照明器具、眼鏡フレーム、時計、袋物金具、食器、仏具等に不可欠のめっき法として高く評価されている。
銀めっき  銀のもつ独特の色調は古来より尊ばれ、金とならんで装飾品全般に活用されてきた。今日でも、装身具、食器、喫煙具、バッヂ、メタル、楽器等に光沢銀めっきが利用されている。フルート等の管楽器に銀めっきを施こすと音色がよくなることや、洋食器に銀めっきすることで水分の中の微生物が殺菌され、衛生上きわめて好ましいことなど、銀めっきの目に見えない利点は、案外一般の人々には知られていない。
ロジウムめっき  ロジウムめっきは化学的に安定で、常温で変色することがないため、銀めっきの変色防止用にうってつけである。硬度は装飾用でもHv550〜640(工業用ではHv800〜1,000)と高く、耐食性、耐摩耗性共にすぐれているから、通常用いられる0.02〜0.2μm程度のごく薄いめっきでも十分使用に耐えうるものとして、装飾品や美術工芸品、楽器などに活用されている。とくに、時計側やライター、眼鏡フレームへの利用では、その特性が十二分に発揮される。
パラジウムめっき  耐食性は白金やロジウムほどすぐれてはいないが、貴金属の中では安価であるため、近年徐々に利用されるようになってきた。白金やロジウム同様、白色光沢外観を有している。
白金めっき  ロジウムほど多方面で利用されているわけではないが、耐食性や耐変色性、硬度等の点でロジウムと似た性質を有しており、重厚な外観と共に、高級な装飾品関連に利用されている。
黒色クロムめっき  漆黒調の皮膜が得られる代表的なめっきである。高級カメラの上蓋(グンカン部)やエプロン、底部、あるいは自動車やオートバイの各部品に広く利用されているほか、弱電部品や通信機部品(放熱効果を目的としたシールドケース等)、時計側、事務機等に活用されている。
亜鉛めっき
 (黒色クロメート)
 光沢亜鉛めっき後に、銀塩を含有した浴中に浸漬して得られる黒色クロメート皮膜は、耐食性が良好であるため、外観向上、すなわち付加価値向上の目的と共に、自動車や弱電などのボルト、ナット、各種金具類(内装品)等に利用されている。高級洋傘の骨に利用されている例もある。
黒色ニッケルめっき  めっき直後の皮膜は脆くて光沢がないため、一般的には膜厚2μm以下でラッカー仕上げをしたものが精密光学機器の内装品等に利用されている。耐食性は黒色クロムめっきにくらべると、かなり見劣りがする。
黒色ロジウムめっき  比較的新しいめっき法で、耐食性にすぐれ、重厚な色調と相まって、眼鏡フレームや時計側、喫煙具等に利用されるようになっている。
古美仕上げ  黒の濃淡ぼかしの色調と銅の赤味とが、見事に調和を保ってアンティックな雰囲気をかもし出す古美仕上げは、インテリア商品をはじめ、装飾品や美術工芸品、照明器具に欠かすことのできないめっき技術の代表格といえよう。ハイセンス、気品、年輪を感じさせる渋み、アンティック、一見矛盾するようなイメージが無理なく調和し、見る人の心をなごませてくれる独特のカラー、それが古美仕上げの、他の表面処理では得ることのできないよさであろう。
電鋳  電鋳とは、母型に膜厚ミリ単位の、超厚付け電気めっきを施こした後に、はく離して製品を作る方法で、原型を忠実に再現できる複製技術として、装飾の分野では主に美術工芸品や仏具の製造に利用されている。
亜鉛  代表的な防錆めっき法として広範囲な分野で活用されている。鉄の防食にきわめて効果的であることに加え、めっき浴及びクロメート処理の進歩によって外観性能も向上し、装飾的用途での評価も高まっている。
亜鉛−鉄合金めっき  めっき膜厚5μmで、塩水噴霧試験が2,000時間という驚異的な耐食性を誇る防錆めっきである。合金めっき皮膜組成は、亜鉛99.3〜99.8%、鉄0.2〜0.7%で、鉄が0.4%の時がもっとも良好な耐食性を示す。とくに黒色クロメートの場合、他の亜鉛系めっきよりも耐食性の優位性が顕著で、しかも健浴費、ランニングコスト共に他の合金めっきに比して安価である。
亜鉛−ニッケル合金めっき  亜鉛めっきが、より苛酷な環境下で十二分な防錆力を発揮するには、膜厚を15μm、あるいは20〜25μmと厚くしてさらに緑色クロメートを行なうという方法が考えられるわけであるが、部品によってはコスト上の制約、精度上の制約がある場合もある。そこで、より薄い膜厚で、より効果の大きい防錆めっき法という観点から実用化されたものが、この亜鉛−ニッケル合金めっきである。
錫−亜鉛合金めっき  延展性にすぐれ、二次加工性が高いという特徴をもった合金めっきで、塩水と湿潤雰囲気にとくにすぐれた耐食性を示す。皮膜中の錫が70%前後で、もっとも高い耐食性を示し、有色クロメートを施こしたものは、膜厚5〜6μmで塩水噴霧試験1,800時間(赤サビ発生迄)、同じく10〜11μmでは2,000時間をクリアする。
カドミウムめっき  かつては亜鉛めっきとならぶ代表的な防錆めっき法であったが、カドミ公害を契機として他の防錆めっきに代替され、現在では数社が実施しているにすぎない。とくに耐海水腐食性にすぐれており、またクロメート処理したものでもハンダ付け性がきわめて良好なため、航空機部品、船舶部品、電機部品等に根強い需要がある。
工業用(硬質)クロム  多くの機械的特性をもつ代表的な工業用めっきである。クロムめっきとしては、装飾用も硬質も、本質的な相違はなく、使用目的が装飾以外のもので、比較的厚い(JISでは5μm以上と規定)めっきを、工業用(硬質)クロムめっきと呼んでいる。とくに潤滑油等の保油性を要求される場合は、表面が多孔質なポーラスクロムめっきが活用される。

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